「左と右の耳で 聞こえ方ちがうだろ?
ぼくらの真実なんて きっとそんなもんさ」
私が大ファンのスガシカオさん。
彼が書く詞には、胸に刺さるものがいくつもあるのですが、『Hop Step Dive』に出てくる、この一節も、ずっと印象に残っています。
今でこそ、イヤホンやヘッドホンは両耳に着けるのが当たり前ですが、少し前までは片耳だけのイヤホンもよく見かけました。
いつもは右耳で聴いているのに、ふと左耳に替えてみると、「あれ? なんだか違う」と感じることがありました。
耳の状態の違いなのか、イヤホンの形のせいなのかは分かりませんが、同じ音のはずなのに、印象が変わるのです。
最近では、あえて左右で違う音が聞こえるように作られた楽曲もありますが、ラジオ番組のように本来は同じ音が流れているものでも、イヤホンを左右逆に着けてみると、やはり違和感を覚えることがあります。
音そのものは同じなのに、聞く側の状態や条件で、感じ方は変わってしまうのですね。
これは、音楽に限った話ではないのかもしれません。
私たちの周りで起こる出来事も、その出来事自体は同じでも、受け取る人やそのときの気持ち、置かれている状況によって、受け止め方は大きく変わります。
伝えられ方ひとつで、「真実」の形が変わってしまうこともあります。
だからこそ、一つひとつの出来事に過剰に振り回されず、淡々と前を向いて進んでいけばいい。
スガさんは、そんなことを歌っているのではないかな、と私は感じています。
もちろん、これはあくまで私なりの受け止め方です。
人それぞれに、それぞれの「真実」があっていい。
そう考えると、少し肩の力が抜ける気がします。
そうそう、私たちの真実なんて、きっとそんなものなのかもしれません。
日々診療する中で、あらためて感じることの一つです。

写真は昨年12月にスガさんの和歌山でのライブに行ったときのものです。









